もう二度とアジアでは動物に触らん。二度とだ。
先日ミャンマー旅行に行った際、猫に引っ掛かれたことにより予想外の出費が出ました。
知ってたよ…狂犬病は怖い病気だって知ってた…。でも水が怖くなる病気っしょ?あと…なんかヨダレとか垂れるやつでしょ?とニワカの知識しかなかった。違った。
思ったより狼狽したのと、体調が大幅に崩れたのと、精神的にダメージ(主に出費面)を受けたので、ネタにしなきゃやってられない。
よって今回は狂犬病の話です。
- 猫に引っ掛かれた経緯
ミャンマーのバガンというお寺が無数に立ってる素敵エリアがあってね。
気球から見る景色が最高。
御伽の国感ある。
タイより涼しいから風も気持ちよくて、ベンチでまったりしてたんですよ。
そしたらその辺で気持ちよさそうに昼寝してた子猫がいつの間にか足元にいて、音もなく膝に乗って来たわけ。
離れたところにいるならそれこそ狂犬病のリスクもあるし何より汚い(ダニやノミ)ので追い払うんだけど、今回の場合ゼロ距離からのオンザマイレッグだったから!
抗える?私は抗えなかった。
10分くらい癒されてたんだけど、最後どけようとした時爪が引っ掻かっちゃったのね。
その時に限ってジーンズじゃなくて民族衣裳(ロンジーと言う巻きスカート。男女共にミャンマーでは履いてる。可愛い。)に着替えちゃってたのね。
はい、浮かれポンチ。
ふざけんなこのブスにゃんこ、狂犬病みたいな顔しやがって(瞳孔が異様に細かった)、ちなみに狂犬病の猫の初期症状は異様に警戒心が高いか異様に薄いかのどちらかで、瞳孔も開いているケースが多いそうな。えっ…こいつどっち?
犯猫の写真。絶妙に可愛くない。
- そもそも狂犬病とは?
狂犬病とは、狂犬病ウイルスに感染した犬やその他の動物に咬まれることで引き起こされる病気です。 一度発症すると救命は極めて難しいといわれています。※1
「救命は極めて難しい」とやんわり書かれていますが、発症後の致死率はほぼ100%だそうです。医療が発達した現代においてなお致死率100%。ただの不治の病やんけ…。
また、唾液・粘膜感染なので、噛まれるだけでなく爪を舐めた後に引っ掛かれてもアウト。
噛まれた(引っ掛かれた)後を「暴露後」と言うらしいです。
狂犬病のウイルス自体は弱いらしいので、その場ですぐに消毒すればまあワクチンまではいらんかな…この猫が本当に狂犬病かどうかも分からんし、自己責任でいいわ、ワクチン高いし…と思っていたものの症状が外道すぎて。
初期症状: 発熱、頭痛、筋肉痛、悪寒など。
中期以降: 神経系に侵入すると、興奮、意識障害、錯乱、幻覚などの神経症状が起こります。また、水を飲むことを恐がる、水が恐くて手が洗えない、空調の風などを嫌がるなど。
その後、数日の経過で全身けいれんや不整脈が起き、全身の臓器に障害が起こり、死に至ります。※1
怖すぎ。無理。
死ぬのは百歩譲ってしょうがないとして痛いのは無理。
ちなみに動物と接触した際、狂犬病と同時に疑われるのが破傷風ですが、こちらの症状も凄惨。
口が開きにくくなるという状態ではじめの症状が出ます。…顔の筋肉がけいれんすると、笑ったような顔になりますが、本人にとってはけいれんしているので、非常に苦しく全身汗まみれになるほどです。…くびや背中の筋肉までいくと、反りかえるようになります。このとき強い痛みがあります。このようなけいれんは、一定の間隔をおいて起こります。胸や横隔膜の筋がけいれんを起こした状態が続くと、呼吸ができなくなり、重症の人は適切な治療をおこなっても死亡することがあります。※2
背中が海老反りになり背骨が折れる場合もあるらしい。絶対無理。
連休後、会社に行った結果「すぐにワクチン打った方がいい」と色んな人から言われたので午後休で病院へ。ちなみにこの時点で引っ掛かれてから4日経過しています(本当は24時間以内がベスト)。既に謎の発熱もしていました。こわ。
- 場所: スクンビット病院 (エカマイ)
日本語で対応して貰えるサミティベート病院は高いし遠い(駅からタクシー使わないと無理)し混むので、自宅のオンヌットから近いエカマイ駅から徒歩3分のスクンビット病院へ。日本語は通じませんが英語が可能。
タイ人人事にもスクンビット病院はgood one よ!not too expensiveだし!とお墨付きを貰いましたが後ほど後悔することに。後述。
予約なしで飛び込み、案内自体はすぐにして貰えましたが、トータル1.5時間掛かりました。実際の施術時間は10分なのに。はい、タイクオリティ。
- 費用
1回目: 22,575バーツ(約80,000円)
たっっっ か
え?これ1回目だよね?狂犬病って事前にワクチン接種してなかったら5回くらい打たないといけないんだよね?5回全部トータルでいくら?
と聞いたら英語のつたない看護師さんが「27,766バーツ!」と笑顔で答えてくれました。ほんとか?
会社の人事に聞いたら最初は立て替えで、後からキャッシュバックしてくれるとのことなので泣く泣くペイ。2割くらいは帰ってくるといいなぁ…(遠い目
なぜこんなに高いかというと、「ヒト抗狂犬病免疫グロブリン(HRIG)」という製剤が数がとても少なく、値段も高いんだとか。事前に狂犬病ワクチンを打っておけば不要だったのに。
ちなみにアジア周遊中に狂犬病ワクチンを打った同僚はトータル30万円掛かったそうです。ほんとか?
ちなみに後で落ち着いて調べた結果、サラデーン駅に近いスネークファームだと、5回トータル2,700THB(約10,000円)でできるよう。※3
はぁ?こちとら8倍払ってんぞ…。
いや、熱で意識が朦朧としていたので仕方ないですが。一刻も早く近場で済ませたかったからしょうがないですが。いやいやでもそれにしてもさぁー!?同じ施術で8倍の差ってさぁ!?それも1千円と8千円とかじゃなく1万円と8万円の差って!!??
あー早く日本帰りたい←
- 施術の内容
注射3本。(破傷風、狂犬病、あと抗生剤?よく聞き取れなかった)
痛かったけど想像より痛くなかった。
それより今わたし熱あるみたいなんだけど、ワクチン打って大丈夫?熱ある時は打たない方がいいって言うけど…と不安げな私に「ダイジョーブ!」と突然の日本語を話す医師。ほんとか?
案の定当日と次の日は高熱を出してダウン。
ほらな!!!知ってた!
そして小分けにしてくれた薬の異様な尖り具合。
刺そうとしているとしか思えない。
- 反省
今回の件で知ったんですが、タイは予防接種を日本の半額程度で受けられるんだそう。
なので、世界一周旅行者はまずバンコクに入ってスネークファームで予防接種を大人買いしまくるんだとか。
タイに来た序盤に狂犬病と破傷風とA型肝炎ぐらいは打っておけば良かったな…と後悔ひとしおです。
あと、謎の発熱は普通にノロウイルスでした。
踏んだり蹴ったり!
寝汗をかきまくったシーツを洗濯して屋上(公共の場)で干すの図。いいの誰もいないから。
人生色々あるけど、生きてるって素晴らしいよね!(屋上で胡座かきながら)(今日のまとめ)
以下引用元。
※1 https://medicalnote.jp/diseases/狂犬病
※2 https://medical.jiji.com/medical/027-0011-01
※3 https://amurata.com/kyoukenbyo/
追記。
初診は20,075THB。うち戻ってきたのは5,800THB。よって5万円くらい自己負担。ひーん!
しかし2回目以降は全て保険内でカバーできました。会社によっても違うみたいだけど。
さらに追記。
うっかり予約の紙(どんな施術をするか)を忘れると「今日って何しに来たの?ワクチン?何回目?今日で最後?」って逆に質問されるスタイルがタイ流。データ残ってないのかよ。医者に聞けよ。バリバリ新卒の看護師が不安そうに聞いてくるので私もとても不安です。打たれてる注射が合っているかどうかも分からない…スリリング!
もう二度と海外で病院には行かない。