いよいよ雪が降り積もってきましたもち子です。
雪かきって、いいですよね。
雪国でしか味わえない独特の寒さと、10分もすれば温まってくる体と、静かな世界(雪が音を吸収してくれる)と、雪をどけた成果が目に見えて分かる爽快感。最高!
まあ、ロクにやったことないんですけど。
実家にいた頃は全部親がやってくれてたんですけど。
まともにやった雪かきは会社総出で渋々やったやつだけですけど。
一人暮らしの頃は雪かきが面倒すぎて(スコップすら買ってなかった)車を雪にうずめたまま季節を越しましたけど。
そんな私も北国に来て、とうとう自分の力で雪かきする時がやってきました。
アパート暮らしなのでお隣さん達のスペースを確保しつつ、迅速かつ的確な場所に雪をどけなければいけません。
近所付き合いが死ぬほど嫌いなので雪かきを機に始まってしまったご近所付き合いがとても億劫です。いや、みんな良い人なんですけど。顔を合わせるから挨拶ぐらいはするんですけど。でもさ、別に話さなくて良くない?一人で黙々と作業したくない?この話す時間、無駄じゃない?←
角田光代氏のエッセイ『月夜の散歩』に「世間話ができない」というエピソードがあって、ほんとそれ!と膝を叩いたばかりの自分にはこのご近所付き合いの当たり障りのない一秒後には忘れちゃいそうなどうでもいい会話が苦っ痛〜!て感じです。面白い話(つまり本題)しか話したくないし聞きたくな〜い!
それもこれもぜんぶ雪のせいだ、です。雪さえなければ『同じアパートの住人Aさん』のままでいられたのに!これからは「この雪をこんな所に置くなんてもち子さんじゃない…?」とか「もち子さん自分のところだけで雪どかして、共用スペース全然雪かきしてくれないのよね…」とか「そもそもあの人雪かきしてなくない?」とか見えない他人の噂話を気にする日々が続くんですね…(3日で忘れる)。これだから田舎(雪国)は!やっぱ冬はコタツとみかんで引きこもりに限りますサイコー!
前置きが長くなりましたが、近所付き合いは嫌いだけど友人との会話は恋しいなあ〜、と思う今日この頃です。
タイにいたときは当たり障りのない無意味な話はせず、いきなりステーキよろしくいきなり本題してくれる友人達に恵まれてました。
ここで言う「本題」っていうのは「お互いに興味のあるトピック」で、それが家族だったり仕事だったり人間関係だったり下ネタだったり、人によって様々。
私の「本題」は仕事か金か人生(か下ネタ)の話で、タイでは毎日その話だけをしていたので楽しかったなぁと思って。
某銀行の株買おうと思う、と言えばあそこは最近システム改正して社内ガタガタだからしばらく待ったほうがいいよ、とか。そこから銀行とシステム会社の裏話なんか始めてくれちゃったりとか。
日本に帰ったら何しようかな、と言えばどうやって稼ぐの?と聞かれ(主婦ではなく働く前提で聞いてくれるこの時点で最高)、フリーランスしかないかなと言えば、昨今のフリーランス事情についてそれぞれが議論始めてくれちゃったりとか(高度な話題について行けず傍観する私)。
何が言いたいかっていうと、本題しか話さない(話さなくていい)友人はとても貴重ですね!
ぶっちゃけ本題以外はどうでもいいし聞いている振りして全く聞いていない(と思うんだけど、どうですか?私はそうです)ので、本当はみんなとも本題だけを話したい。でも、いきなり本題から入ると「何この人?」みたいになるし、お互いの本題が同じでない可能性もあるので、その人が興味を持っているものとお互いの関係性を量るために、最初は当たり障りのない話をする。
問題は、この本題まで入り込むまでに、その人との会話に飽きちゃったり、あーこの人とは話題が合わないから、本題まで話さなくていいかなって思っちゃうことです(そういう時はたいてい相手も私にそう思っている)。
私は飽きるのも早いうえに本題も合うことが少ないです。結果、本題を話せる友人というのは今でもとても少ないです。小学校からの友人も含め、数人くらい?(もうちょっと人に合わせる努力しよ?)
「働いている人」の本題は「金」「仕事」「効率」といったものが多く、「主婦」の本題は「子ども」「人間関係」「家事」が多い。そして私は「主婦」の本題にほとんど興味がない。
だから「主婦」のコミュニティで会う人とはお互いに話が広がらないし、「なんだかつまんないなあ」と思ってしまうのでしょう。
これが根っからの人徳者だったら、「どんな話題もウェルカム!」「出会う人全てが私の先生だもの!(©食べて、祈って、恋をして)」なんだろうけど、そこまで人間できてなーい!
あーあ、いきなりステーキならぬいきなり本題みたいなコミュニティないかなぁ。とりあえず酒飲んでお互いのこと何も知らんけど本音話そ、みたいな。それただの立ち飲み居酒屋。
そんな場所も周囲にないので、本題を分かち合えそうなものを読んでウンウンそうだよね〜分かる〜私の場合はさ〜、と一方的なコミュニケーションを取っています。そんなんだからますます話が合わなくなるんやで!
角田氏と場末の居酒屋でちびちび酒飲んでるような気持ちになれる本です。
エピソードごとに「わかる〜!」って言いたくなります。
あと表紙のにゃんこ可愛い。